- 著者
-
磯田 友里子
- 出版者
- 日本消費者行動研究学会
- 雑誌
- 消費者行動研究 (ISSN:13469851)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.2, pp.2_73-2_100, 2018-03-31 (Released:2021-05-01)
- 参考文献数
- 67
サービス・マーケティングの分野では、伝統的に、待ち時間は顧客満足に負の影響を与えると考えられてきた。一方、近年消費者行動研究の分野では、消費者が自ら消費を先送りして待ち時間を楽しんだり、待ち時間から高品質を連想したりするといった現象に注目が集まり、研究成果が蓄積されつつある。マーケティングにおける待ち時間研究は、その学際性の高さゆえに、矛盾や競合する研究結果が多数見受けられる。しかし、全体の研究を俯瞰、整理した論文は見当たらず、矛盾や競合関係が生じる原因にまで踏み込んだ議論は行われていない。そこで本稿では、レビューを通して知見の体系化を図った。レビューの結果、調査設計上の相違に加え、「期待─不一致」「成果の正負」「消費者知識」が、待ち時間による効果の正負を規定しうることを明らかにした。最後に、待ち時間研究の今後の課題について議論を行った。