著者
沓掛 沙弥香
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アフリカレポート (ISSN:09115552)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.133-146, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)
参考文献数
48

タンザニアでは、独立後のナショナリズムのなかで「国語」としてのスワヒリ語振興政策が取られたが、1970年代後半以降の深刻な経済危機を背景に言語政策議論は明確な指針を失い、以降影を潜めていた。しかし、2014年頃から再びスワヒリ語振興政策が打ち出されるようになり、その傾向は2015年11月に就任したマグフリ大統領率いる政権でいっそう顕著となる。ただし、独立後ナショナリズム期の言語政策の要であった教授用言語のスワヒリ語化は、マグフリ政権下のスワヒリ語振興政策には含まれなかった。本稿は、マグフリ大統領のスワヒリ語振興政策に関連するディスコースを分析することでその理由を考察し、同政策が、エリートと人々を分ける境界としての英語の特権性を維持し、「虐げられた人々」への庇護という文脈を包含して興っているものであることを明らかにする。

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独立後の「国語」スワヒリ語化教育が迷走していたタンザニア。難民受け入れが容易で、同性婚が認められている英語圏を選択しなかったのは何故だろう?過去に仕事で来た事がある?母国コミュニティがあり、就労の目処があるから選んだの?わざわざ、難民審査が厳しい日本に? https://t.co/arwIIucHyY https://t.co/Ufm5WqmSux
【 #アフリカレポート 】 #タンザニア の言語政策をめぐる政治を分析した論考公開!

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