著者
八田 達夫
出版者
公益財団法人 アジア成長研究所
雑誌
東アジアへの視点 (ISSN:1348091X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.19-36, 2014 (Released:2020-07-08)
参考文献数
4

高度成長期以降,全国の中枢都市のほとんどが人口を伸ばした。しかし鉄道時代から航空時代に転換した時点で,ジェット機対応空港を持っていなかった北九州市の人口は,例外的に縮小した。それに対して,ジェット機対応空港を持つ福岡市は,中枢都市としての自然な発展を遂げた。 しかし福岡空港の混雑が限度に達している。滑走路1 本当たりの発着数は,すでに日本一である。10 年後に発着数を約30%増大する滑走路の増設工事が予定されているが,それ以上の増設は地形的に見込めない。ところが博多駅から(小倉駅を経由して)25 分で到着できるようになる北九州空港を活用することによって,福岡市は今後も伸び続けていける。一方,北九州市はこの空港の発展によって,支店都市としての機能を回復できる。 北九州空港を発展させる第一歩は,①空港・福岡市間を直結する高速バス定期便の設置と,②空港と北九州都市高速道路とを結ぶ国道10 号の無信号バイパスの建設である。

言及状況

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@messer_liszt1 空港機能の差が明暗を分けたという意見もあります。 仰る通り、鉄道が主な移動手段だった時代は地理的に北九州が栄えましたが、航空機がメインになって福岡が成長を遂げたと✈️。 https://t.co/NEzYuxwrjO
@kiitakashi まずはインフラ整備が急務 https://t.co/zc2qFeeDjG
1960年代までは上回っていた北九州市が、福岡市に大きく差をつけられてしまったのは鉄鋼業の衰退ではなく、空港機能の差にあると聞いたことがあります。 https://t.co/kBPd4WD5xI https://t.co/Yq1njp96MP
北九州市が拠点性を高めるためには、北九州空港の活用がカギを握る(n回目) https://t.co/kBPd4WUGWi https://t.co/fZCvQKKnld

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