著者
建本 聡 原田 陽子 今井 健司
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.108-114, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究では,深層学習による物体検出(SSD)と熟度判定用の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を組み合わせ,画像からウメの果実の熟期を判断する方法を検討した.2018年6〜7月に,ウメ「露茜」の樹上の果実についてデジタルカメラにより静止画及び動画を取得した.果実領域を切り出すためのSSDの学習は,撮影した画像443枚を用いた.学習したネットワークの性能は,しきい値0.47で,F値0.88であった.次に熟度判定用のCNNの学習のため,SSDにより切り出した5,823枚の画像を熟度別に肉眼で5クラスに分類し教師とした.学習したネットワークの識別の精度は94%であった.これらを組み合わせた精度を判定するために,学習に用いていない画像から,SSDによりしきい値0.47で366枚の果実画像を切り出し,続けて画像を熟度判定用のCNNで分類したところ,識別の精度は96%であった.よって,撮影画像から本手法により果実領域を切り出し,熟度判定が良好に行えることが示唆された.

言及状況

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・SSDによる果実検出→検出領域の切り出し→CNNによる熟度判定 ・熟度判定は5クラスのクラス分類にて行う ・目視での誤判定は1.1 %、提案手法での誤判定は4 % 深層学習を利用したウメ「露茜」の画像による熟度分類 https://t.co/EKhXWEJaU9 https://t.co/snasuEO4xS

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