著者
向山 直佑
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.34-56, 2018-12-15 (Released:2019-03-25)
参考文献数
52

石油をはじめとする天然資源が民主主義を阻害するという「資源の呪い」に関する研究は,石油と民主主義の間に負の相関関係を見出す「資源の呪い」肯定論に対し,それを真っ向から否定する否定論,そして「呪い」は特定の場合にしか成り立たないとする条件論が修正を迫るという形で展開してきた。最近の研究では,「資源の呪い」には時間的・空間的な限定が付されるようになっており,これは一方で理論の精緻化に結びつくものではあるが,他方で歴史的,あるいは国際的な要因の軽視に繋がる危険性を孕んでいる。植民地支配から脱植民地化に至る期間にまで遡って分析の対象とし,かつ国際関係の影響に注目しつつ研究することで,資源と政治体制の間の因果関係のより的確な理解に近づくことができる可能性がある。

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J-STAGE Articles - 天然資源と政治体制――「資源の呪い」研究の展開と展望―― https://t.co/SG3wV07Lzf
向山直佑(2018)「研究レビュー 天然資源と政治体制:「資源の呪い」研究の展開と展望」『アジア経済』59(4): 34-56. https://t.co/Bt3KtCG545 天然資源の存在を民主的国家建設の阻害要因と捉える「資源の呪い」論やレンティア国家論,産油国政治研究に影響を持ってきた方法論の研究史とその問題点。

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