著者
飯島 久美子 小西 史子 村上 知子 香西 みどり 畑江 敬子 小西 雅子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成15年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.107, 2003 (Released:2003-09-04)

【目的】寒い時期に家族あるいは仲間とともに鍋物を囲む光景は、日本の代表的な食卓風景の1つである。鍋物の歴史はそれほど古くはないが、冬の代表料理といってよいくらい浸透しているようである。そこで、本研究ではどのような鍋物がどのように食べられているのか、また地域的な特徴について、実態を知ることを目的とした。【方法】北海道から沖縄にいたる各地の大学、短大に所属する学生および職員1013名を対象とし、2002年12月にアンケート用紙を配布し、2003年1月に回収した。【結果】よく食べる鍋物の名前を尋ねたところ、63種類が挙げられた。そのなかでもっとも多くの人が挙げた鍋物はすき焼きであり、次いで寄せ鍋、キムチ鍋であった。地方別にみると東北ではキムチ鍋が、九州ではおでんがもっとも多く挙げられていた。鍋物に使われる食材は、豆腐類がもっとも多く、次いでハクサイ、ナガネギ、エノキ、白滝、シイタケ、シュンギク、ダイコンの順であった。豆腐類は74.9%の鍋物に使われ、おでんにも29.9%の割合で使われていた。またハクサイはおでんを除く70.7%の鍋物に使われていた。食べる頻度は月に1_から_2回がもっとも多く、次いで週に1_から_2回であった。誰とどこで食べるかという質問では、圧倒的に家庭で家族と一緒にという答えが多かった。鍋物とともにお酒を飲む割合は42.1%でその内訳はビールがもっとも多く、次いで焼酎・チューハイ、日本酒の順であった。年代別では、50代まではビールが多く、60代以降は日本酒が多かった。本調査から鍋物は、好きだから、暖まるからという主に2つの理由により3人以上集まって月に1から2回、主に家庭で食されており、もっともよく食されるのはすき焼きであるということが明らかになった。

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