著者
毛 偉傑 李 暁龍 福岡 美香 酒井 昇
出版者
日本調理科学会
巻号頁・発行日
2015 (Released:2015-08-24)

【目的】タンパク質の熱変性に伴ってエビ肉は物理的および化学的変化を起こすことが良く知られている。変性の指標として肉の筋原繊維タンパク質のCa2+-ATPase活性の変化がすでに多く報告されている。しかし食品工学の手法で求めたタンパク質の変性率と化学変化の関連がまだ解明されていない。そこで本研究ではエビ肉の加熱におけるタンパク質の変性率とCa2+-ATPase活性および溶解性の変化の相関関係について検討を行った。【方法】車エビ(Marsupenaeus japonicus)を試料として示差走査熱量分析(DSC)でタンパク質熱変性パラメーターを測定し、伝熱ならびに速度解析により、加熱途上の1尾内のタンパク質の変性分布を計算した。また加熱処理を施したエビのCa2+-ATPase活性および溶解性の変化を測定し、タンパク質変性率との相関を調べた。【結果】DSCダイナミック法で車エビタンパク質のミオシンおよびアクチンの変性速度パラメーター(活性化エネルギー、頻度因子)を決定し、エビ1尾内の加熱(51℃および85℃)に伴う変性分布を計算したところ、両加熱条件においてタンパク質の変性分布が不均一に形成されることが示された。51℃の恒温水槽で加熱した場合、加熱時間の延長と共にミオシンの変性は緩やかに進行するが、アクチンは変性しなかった。85℃で加熱すると、ミオシンは160秒で、アクチンは495秒で完全に変性した。Ca2+ -ATPase活性が両方の温度で加熱時間の増加に伴って減少し、タンパク質の変性率に関連することが見出された。タンパク質の各種溶媒に対する溶解度も平均タンパク質変性度と強く相関することが見出された。

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“51℃の恒温水槽で加熱した場合、加熱時間の延長と共にミオシンの変性は緩やかに進行するが、アクチンは変性しなかった。”

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