著者
広瀬 純子 柴田 奈緒美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.27, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】米飯の冷凍保存は家庭で一般的に行われているが,炊き立てと比較して味や風味,食感などの品質が低下する等の欠点を有する。そこで本研究は,冷凍米飯に関するアンケート調査を実施し,冷凍および解凍方法の実態を把握した。そして,結果を基に冷凍および解凍方法を決定し,冷凍米飯の品質向上を可能とする冷凍および解凍方法を提示することを目的とした。【方法】アンケート調査は,岐阜大学の学生302人に対し,冷凍米飯の味や見た目に対する意識,冷凍保存の方法,頻度および食べ方などの4項目について調査した。実験に使用する米飯は,無洗米(平成27年度,岐阜県産)を水に30分浸漬させ,電気炊飯器(タイガー魔法瓶(株))を用いて炊飯した。炊飯終了後,一食分の米飯150gを成型し,家庭用冷蔵庫で24時間冷凍した。解凍方法は,出力600Wの電子レンジで2分間加熱した。この際,冷凍および解凍時の試料中心および端の温度測定,解凍後の含水率測定および偏光顕微鏡(ニコン(株))を用いて糊化の様子を観察した。【結果】アンケート結果より,米飯の冷凍保存を行っている家庭が多い傾向が見られた。また,各家庭で保存方法が異なっていたため,本研究では米飯の形状を変え,厚さが18mmと36mm,形状が直方体と円筒形の計4種類とした。冷凍過程では,厚さが薄く,円筒形である試料は,急速かつ均一に温度低下し,最大氷結晶生成帯の滞在時間が短くなった。電子レンジ解凍過程においても,厚さ18mmの試料は試料間における温度むらが抑制され,均一な解凍になることが示唆された。それに対し厚さ36mmの試料では,中心は端よりも解凍後の最終温度が高くなる傾向が見られた。その結果,試料上部の含水率が高くなり,不均一な含水率分布が生じた。

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