- 著者
-
村野 正昭
- 出版者
- 日本水産増殖学会
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.109-117, 1964-10-30 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 7
1) イサザアミ, Neomysis intermedia CZERNIAWSKYの生活史のうち, 特に成長に関する部分を報告した。2) 交尾は夜間に産卵のたびに行なわれ, 単為生殖や貯精嚢を保有するようなことはない。3) 哺育嚢内にける成長は, その間に2度の脱皮が行なわれるため3つのstageに分けることができる。前期は卵の時代であり, 卵膜を脱いで中期に入る。中期はまが玉状で附属肢の原基が生じる。後期には附属肢, 眼が完成し, ほとんど親と同形になる。4) 孵化は日没後まもなく行なわれる。5) 脱皮も夜間に行なわれ, 脱皮のための斃死はほとんど認められない。6) 孵化後の成長は成熟するまでは0.06mm/dayで直線的であるが, 成熟後は極端に衰える。7) 年間を通じての生物学的最小形は甲殻長2.2mm, 最大形は4.7mmである。