著者
尾山 大知 加藤 柊也 丸山 智朗 乾 直人
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.AA2021, pp.AA2021-2, 2021 (Released:2021-02-06)

渥美半島太平洋岸の7河川において水生動物の採集調査を行った結果、魚類30種、十脚甲殻類21種、腹足類5種を確認した。また、そのうちの注目すべき14種については標本に基づき詳述した。特に、ユゴイKuhlia marginata、オカメハゼEleotris melanosoma、ミナミテナガエビMacrobrachium formosense、コンジンテナガエビM. lar、コツノテナガエビM. latimanus、トゲナシヌマエビCaridina typus、ヤマトヌマエビC. multidentata、タイワンヒライソモドキPtychognathus ishii、フネアマガイSeptaria porcellanaの9種は愛知県からの初記録となった。これらはいずれも近隣地域では既に確認されていた種であるため、本地域の小河川での調査記録が少なかったことが、初記録種が多かった一因であると考えられる。一方、これら9種にはより南方の地域を主な生息地とする通し回遊種も含まれていたため、地球温暖化の影響によって近年愛知県内で確認されやすくなった可能性も考えられる。

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