著者
埴原 和郎
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (ISSN:09187960)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.455-477, 1994 (Released:2008-02-26)
参考文献数
105
被引用文献数
3 2

この論文は, 沖縄人およびアイヌを含む日本人集団の形成史を単一の仮説で説明する二重構造モデルを提唱するものである。このモデルは次の点を想定する。すなわち, 日本列島の最初の居住者は後期旧石器時代に移動してきた東南アジア系の集団で, 縄文人はその子孫である。弥生時代になって第2の移動の波が北アジアから押し寄せたため, これら2系統の集団は列島内で徐々に混血した。この混血の過程は現在も続いており, 日本人集団の二重構造性は今もなお解消されていない。したがって身体•文化の両面にみられる日本の地域性-たとえば東西日本の差など-は, 混血または文化の混合の程度が地域によって異なるために生じたと説明することができる。またこのモデルは, 日本人の形質•文化にみられるさまざまな現象を説明するのみならず, イヌやハツカネズミなど, 人間以外の動物を対象とする研究結果にも適合する。同時に, このモデルによって日本の本土, 沖縄およびアイヌ系各集団の系統関係も矛盾なく説明することができる。

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[歴史] 埴原太郎 二重構造モデル 1994

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