著者
中津 真美 廣田 栄子
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.249-257, 2013-06-30 (Released:2013-12-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨: 聴覚障害の親をもつ健聴の子ども (CODA) における親への通訳は, 情報伝達に止まらず親と社会との仲介役を担い, 子どもの立場ながら親をケアする役割が求められる。本研究では ,CODA 21名と聴覚障害の親19名を対象に, 多面的感情状態尺度短縮版8因子24項目 (5段階評定) と半構造化面接を用いて, 通訳場面に抱く心理状態と経時的変容を後方視的に解析した。評価点について探索的な因子分析 (主因子法) により因子を抽出し, 因子得点を算出した。その結果, 通訳場面に抱く心理状態5因子を抽出し (因子負荷量0.4以上), 充足, 戸惑, 不満, 深慮, 悠長と命名した。CODAと親は, CODAの成人期では概ね肯定的な心理状態を有した。CODAは, 青年期では成人期と比べ戸惑感と不満感が高く, 充足感と深慮感は低かった。CODAの充足感は親と比べて成人期も低く, 面接情報からも通訳役割が長期に渡りCODAの心理的な負担状況をもたらすことが推測され, 生涯発達的観点からの支援の必要性が示唆された。

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@kenichi_ohkubo https://t.co/WTWhtEU48w そうだそうだ。CODAの研究 ストレートではないと思いますが、ヒントになるかもしれないのがすぐヒットしました

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