著者
小渕 千絵
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.221-229, 2023-08-30 (Released:2023-09-14)
参考文献数
32
被引用文献数
1

要旨: 音は聞こえるが聞き取りにくいという症状に対しては, 他覚的, 自覚的な聴覚検査を組み合わせ末梢聴覚系での問題を鑑別することとなるが, 最近では拡張高周波数聴力測定の有用性も指摘されている。これらの鑑別後にもその症状が残存する場合, Listening difficulties (LiD) である可能性が考えられる。聞き取りにおける認知機能, 特に注意機能の弱さが関与するとされ, 必要な音やことばへの選択的注意や他刺激への分散的注意などの問題が実証されている。また, 頭に浮かぶとりとめのない思考であるマインドワンダリングに時間を要したり, マインドレスな状態である例もみられ, 不要な情報の抑制と必要な情報への注意集中がうまくいかない可能性が考えられた。現在の評価方法では, 日常生活での困り感があっても検査上で検出できない, 困り感はなくても検査上で弱さを示す例の存在により, LiD 例の実態の把握が困難である。評価法の再検討や特異的な例の機序解明などが急務といえる。

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「人の話を聞きながら、気づいたら何か他のことも考えている」一般の人がどのくらいなのかわからないけど、ひとつ気になるワードが出てくると関連したストーリーを連想しがちだ。マインドワンダリング。 Listening difficulties (LiD) の評価とその課題 https://t.co/Nbc37vQz3Y https://t.co/c7cwF3uX9Y

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