著者
谷 英典
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.109-116, 2019-02-05 (Released:2019-03-05)
参考文献数
23

遺伝情報を担うDNA/RNAは,すべての生命体において最も基礎となる分子であり,生体試料中のDNA/RNAを分析する技術は医療・環境・食品分野等の幅広い分野において欠かすことのできない重要なツールとなっている.しかしながら,従来の手法には問題点が多いため,これらの問題点を克服する新規分析技術が望まれていた.本稿では,ある種の蛍光色素が核酸のグアニン塩基と相互作用することにより蛍光が消光する現象を利用した,DNA/RNA定量法の開発とその応用及びDNA/RNAに作用する酵素であるヘリカーゼ活性測定法の開発と,その応用について紹介する.さらには,近年著しく注目を集めているタンパク質に翻訳されないRNA: ノンコーディングRNA研究への研究を見据えた,修飾核酸を利用した次世代型の細胞内RNA生成・分解速度測定法の開発とその応用についても併せて紹介する.これらの分析技術を駆使することで,生体分子解析技術の応用及び複雑な生命現象への理解がより一層進むと期待される.

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