著者
外村 彰
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.616-624, 1987 (Released:2008-04-14)
参考文献数
48
被引用文献数
2

アハラノフ-ボーム (Aharonov-Bohm) 効果は, ベクトル・ポテンシャルの実在性, 物理法則の局所性, 多重連結空間での波動関数の一価性といった量子力学における基本的な問題を内包しているため, 30年にもわたってさまざまな議論が展開されてきた. 最近のゲージ理論の登場によって, ベクトル・ポテンシャルがゲージ場として理解されるようになり, その重要性が増したこともあって, 議論は効果そのものの存否にまで及んだ. 検証実験も既にいくつか報告されているが, 電子線と磁場が重畳している可能性があるとして疑問が投げかけられていた. しかし, 最近の筆者らの実験によって, 論争は新たな局面をむかえた.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (7 users, 7 posts, 21 favorites)

「1x1 密度行列なら Berry phase は観測できない」 「実験で Berry phase は観測されるとき、準位は2つ以上ある」 で良いのでは https://t.co/4D1vKeI3C7 ある種の量を(量子計算機で)観測するとき auxiliary qubit が必要なのはよくある話。例えば https://t.co/6ROB47hVYE https://t.co/3gDu1iQz49
物理出身じゃない同僚に「ベクトルポテンシャルわ実際に観測されてるから、数学的に定義されただけの想像上のものでわく実在である」って熱弁してしまった。https://t.co/AzOryX2742
アハラノフ・ボーム効果ですね。電子線ホログラムを用いてAB効果を立証した戸村氏による解説が優れていると思いました。https://t.co/K9dsCBS6OE 色々な研究者による論争についても、かなり詳しく書かれています。 https://t.co/FWZTUN5171
アハラノフ-ボーム効果とその検証実験 https://t.co/K26PNJiTzx AB効果の歴史的な経緯がまとまっていて面白い。ベクトルポテンシャルは実在するという確信が読み取れる。

収集済み URL リスト