著者
望月 優子 伊豆山 健夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.316-325, 2001-05-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17

中性子星にグリッチと呼ばれる現象がある.正確に一定の割合で自転の速度が遅くなっていた中性子星が,あるとき,突然スピンアップする現象である.グリッチが初めて観測されてから30年あまり経つが,その起源はあまりよくわかっていない.私たちは,「渦糸のなだれ的ピンはずれ」がその原因であると考える.渦糸の芯のところに『核の棒』ができ,そこに渦糸が捉えられる,ということを示し,しだいに押し寄せてくる渦糸によって,捉えられていた渦糸が雪崩のようにはずれるのがグリッチである,という理論を提唱する.

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伊豆山先生,私が在学中は生体膜の相転移の研究をされていて,生物志向が強かったと記憶しているが東大退職後は名物校長になるのと同時に中性子星のグリッチの研究をされていたのか.双方が共存するあたり理論物理の人らしい感じがする.https://t.co/y4yw93GM6v

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