著者
中込 隆之
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.203-206, 2015 (Released:2015-08-07)
参考文献数
15

要旨 脳がひとたび梗塞性変化をきたすと,その変化は不可逆的であり,脳梗塞巣には壊死組織や炎症細胞しか存在しないという考えがこれまでの通説であった.しかし,我々は,マウス大脳皮質脳梗塞モデルを用い,脳梗塞巣には幹細胞が誘導されていることを発見した.この幹細胞は神経系の細胞に分化可能であったことから,我々は脳傷害誘導性神経幹細胞(injury-induced neural stem/progenitor cells; iNSPCs)と命名してきたが,その後の研究により,iNSPCs は神経系以外の細胞にも分化可能な多能性幹細胞であることが明らかとなった.本稿では,我々がこれまでに得た知見をもとに,この脳由来虚血誘導性多能性幹細胞(Brain-derived ischemia-induced multipotent stem cells; BiSCs)に関する特性やその起源を中心に,BiSCs を介した再生治療の展望に関して紹介する.

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