著者
大武 由之
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.165-171, 1983-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
27
被引用文献数
3 2

市場の豚枝肉から背脂肪と腎臓脂肪組織を採取し,蓄積部位のちがいによる脂肪の性質の差異と相関を検討した,腎臓脂肪と背脂肪の内層あるいは外層脂肪との,C18:1含量での相関係数はそれぞれ0.61,0.58で,高い相関とはいえなかった.しかし,その他の各脂肪酸,C16:0,C16:1,C18:0,C18:2および全飽和酸の含量ならびに全不飽和酸含量に対する全飽和酸含量の比では,各脂肪組織からの脂肪相互間で,かなり高い正の相関が存在していた.各蓄積脂肪相互間の融点での相関は高く,屈折率の場合は,融点の場合よりもさらに高い正の相関が認められた.各脂肪酸の含量,融点,屈折率についての蓄積脂肪相互間の差異と相関の検討から,調べた脂肪の全ての性質に関して,背脂肪の内層と外層との脂肪の相関は,腎臓脂肪と背脂肪の内層あるいは外層の脂肪との間の相関に比べ,最も高いことが知られれた.別に,腎臓脂肪と筋肉脂質との性質上での差異と相関を,各脂肪酸含量について検討した.腎臓脂肪と筋肉のリン脂質間での,各脂肪酸の含量での相関は低かった.筋肉の中性脂質とリン脂質との間の脂肪酸含量での相関も,C16:0とC18:1との含量の場合を除いては,いずれも低かった.これに対して,腎臓脂肪と筋肉の中性脂質との間では,各脂肪酸含量に関しては,高い正の相関が存在していたが,この相関は脂肪組織からの各蓄積脂肪相互間で見られた相関に比べると,さほど高いとはいえなかった.

言及状況

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/chikusan1924/54/3/54_3_165/_pdf >蓄積部位の違いで,豚脂の性質に差異があり,皮下脂肪の外層部の脂肪 >は内層部の脂肪よりも融点が低く,飽和脂肪酸が少ないことや,皮下脂肪に比べると >豚体内部の腹腔部の脂肪組織の脂肪は融点が高く,飽和脂肪酸が多い という事で、部位によって脂質に差異が ...

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@hiroga_cc 風味とか違うらしくて、ラーメン店とかではうまくブレンドされてらっしゃるとかどうとか、、、。とりあえず構造は違うようです。 https://t.co/7sCiRubAWj

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