著者
奥村 朋之 犬塚 雄介 西村 敏英 荒井 綜一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.360-367, 1996-04-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

本研究では真空包装した豚肉を,4°Cで30日間保存した時の官能的並びに理化学的変化を調べ,最適熟成期間について検討を行った.豚肉の味や香りは貯蔵期間20日目まで熟成が進むにつれ強くなり,好ましくなることが判明した.また,25日目まで微生物による劣化に問題はなかった.しかし,30日目に酸臭が発生し好ましくなかった.豚肉の軟らかさは熟成が進むにつれて増大した.また破断応力も30日目まで減少し続けた.遊離アミノ酸は30日目まで増加し続けたが,20日目以降増加割合が減少した.ペプチドは20日目まで増加し続けたが,それ以降の変化は認められなかった.これらの物質は,熟成による呈味向上に貢献していると推察された.イノシン酸は熟成により減少したが,20日目でも1.6μmol/gmeat残存しており,グルタミン酸との相乗効果により豚肉の呈味形成に寄与していると推察された.以上の結果から,豚肉を真空包装し4°Cで貯蔵した場合には,20日目の肉が官能的に最も優れていると結論された.

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