著者
細矢 治夫
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.64-65, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
15

既知化合物の少なさや、目立たぬ性質等の原因で、ポリエンの化学は等閑視されて来た。「交差共役」も有機化学の中では軽視されて来た。しかし最近、新化合物や、物理学者の興味をひく性質が見出され、交差共役というキーワードが頻出している。我々はその交差共役の重要性を認め、ポリエン化学の理論的な再構築を始めている。先ず、最も基本的な交差共役炭化水素を、ケクレ構造を1個しかもたない、直鎖以外の非環式、及び単環のポリエンと決めた。これにより、ラジアレン、フルベン、キノイド等も交差共役系にふくまれる。これらの安定性は、トポロジカルインデックスZと極めて高い相関関係にある。同様に、「平均共役長」Lによってもその安定性を半定量的に予測できる。更に、これらの議論を「有機電子論」の理論的裏付けと適用限界の示唆にまで拡げる。

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