著者
小西 宏史 田口 芳治 山本 真守 温井 孝昌 道具 伸浩 中辻 裕司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.223-228, 2018 (Released:2018-04-25)
参考文献数
13

症例は63歳男性.左臀部から左下肢のしびれ,下肢筋力低下,膀胱直腸障害などの馬尾症候群を発症し,亜急性に症状が進行し入院した.腰仙髄造影MRIにて馬尾下部領域に造影効果を認め,神経伝導検査では両側脛骨神経の導出が不良で,腓骨神経はF波潜時の延長を認めた.M蛋白血症を認め,多発性骨髄腫を疑ったが,血清可溶性IL-2受容体が4,490 U/mlと著高で,FDG-PETにて椎体,馬尾の集積増加を認めた.L4椎弓根生検にてび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断し,R-CHOP(rituximab, cyclophosphamide, hydroxydaunorubicin, oncovin, prednisone(prednisolone))療法を行い症状の改善が得られた.M蛋白血症を伴う馬尾症候群の場合,悪性リンパ腫の可能性も考慮すべきである.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

M蛋白血症を伴った悪性リンパ腫による馬尾症候群の1例 https://t.co/olk7AiQcdM 腰仙髄造影MRIにて馬尾下部領域に造影効果。M蛋白血症、多発性骨髄腫を疑ったが,血清可溶性IL-2受容体が4,490 U/mlと著高で,FDG-PETにて椎体,馬尾の集積増加。L4椎弓根生検にてび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断

収集済み URL リスト