著者
原田 悦子 運天 裕人
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.21, 2015 (Released:2015-10-21)

高齢者は人工物の創発的な利用が困難であるとされ(赤津・原田,2008),それが高齢者のICT機器利用の学習を阻害していると考えられる.そこで,本研究では高齢者の創発的な利用を促進する可能性として,若年成人との相互作用をとりあげ,高齢者同士,若年成人同士のペアと比較した際に,高齢者-若年成人ペアにおいてどのような創発的活動が見られるのか,検討を行った.各8組のペアにカプラ(単純な積み木)を渡し,自由に遊ぶという課題を行ったところ,高齢者-若年成人ペアでは,早い時期からさまざまな置き方を試みる,抽象化された作品を作る,などの創発的な行動が見られたのみならず,自分達の作品や活動に対する肯定的な評価や満足感が示された.高齢者-若年成人ペアのこうした特長は若年成人同士のペアよりもさらに高く,特に初対面の若年成人よりも初対面の「異世代」との活動は,コミュニケーションや活動を促進する可能性が示された.

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