著者
布井 雅人 吉川 左紀子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第17回大会
巻号頁・発行日
pp.123, 2019 (Released:2019-10-28)

対象の評価時に、他者が行った評価の平均値を呈示すると、その平均値に近づく形で、参加者の評価は変化する (Klucharev et al., 2009)。さらに、他者の評価と自身の評価のずれの大きさが、評価の変化の程度を予測することも知られている (Huang et al., 2014)。本研究では、他者の評価と自身の評価のずれを正確に認識することができない状態においても、他者の評価方向に自身の選好判断が変化するかどうかを検討した。実験では、各刺激の好意度評定がまず行われた(ベースライン評定)。次に、80人分の好意度評定の平均値(他者評価)が各刺激と対呈示された状態での好意度評定が、別ブロックで行われた。その結果、他者評価とベースライン評定のずれの程度によって、好意度評定の変化の方向とその大きさが有意に予測された。この結果は、自身の事前評価を明確に認識できない状況においても、他者の評価の影響を受け、その方向に自身の好みが変化することを示すものである。

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