著者
植松 大壱 宮崎 早花 小八重 善裕
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.42-48, 2021-02-05 (Released:2021-02-12)
参考文献数
28

本研究は,黒千石ダイズの種子を少量の水で限定吸水させることで,①アントシアニンの溶出を抑制できるか,②黒さ・噛み応え等の黒千石の特徴を活かした豆ごはんが調理できるかを検討した。マイクロプレート内で吸水させ,経時的に吸水率を測定したところ,乾燥種子1 gあたり1.9 mLの吸水条件が,十分な吸水の最低ラインであることが分かり,これを限定吸水量とした。浸漬吸水においては,限定吸水に比べて,アントシアニンの溶出が3倍に増えており,種皮の損傷も大きかった。アントシアニンの溶出は,吸水直後から起こっており,種子の損傷とは無関係だった。限定吸水と浸漬吸水とで,黒千石の豆ごはんを調理し,官能評価を行ったところ,黒さと,食感の項目において,限定吸水のほうが高い評点を得た。以上の結果から,一般に行われている浸漬吸水よりも,限定吸水のほうが,黒千石大豆の色を黒く,食感をよくすることができる。

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豆を水で戻すときは水に浸けるのではなく、湿らせたキッチンペーパーの上で戻したほうがおいしくなることがあるので(科学的に証明済み) https://t.co/DSs27nvmfj うちではもっぱら実践しているわけですが、夜のうちに7割方ネコに食べられたことを一応報告しておきます

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