- 著者
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江川 清文
- 出版者
- 公益社団法人 日本皮膚科学会
- 雑誌
- 日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
- 巻号頁・発行日
- vol.121, no.7, pp.1401-1407, 2011-06-20 (Released:2014-11-13)
ヒトパピローマウイルス(HPV)により伝播する性感染症としては古くから尖圭コンジローマが知られて来たが,子宮頸癌からHPV16/18が発見されたのを契機に,ボーエン様丘疹症や外陰部や手指のボーエン病にも同様のHPVが検出されることが分かり,これらは性行為あるいはその類似行為により伝播されるHPV感染症と考えられるようになった.一方で,HPVに不顕性感染が多いこともわかり,無症候性キャリアーの問題が浮かび上がって来た.本稿では,原因のHPVと肛門・性器に発症することの多いHPV関連疾患について概説した.