著者
坂本 忠規 鎌田 正彦
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.21-39, 2017 (Released:2021-03-20)
参考文献数
17

本稿は新出資料である「普請下絵図畳板」に含まれている畳板と製図道具について、それぞれ資料紹介と評価を行い、あわせて近世的な製図技法と道具について考察を加えたものである。要点は次のとおりである。 1. 畳板は畳の縮尺1/20の模型で、大規模屋敷の平面計画に用いられたと考えられる。これまで紙製のものが知られていたが、本資料は木製でありかつ壁・敷居の位置を示す敷棒まで含まれており、貴重である。 2. 6点の製図道具はそれぞれ添軸、図引、突針の三種に分類され古様を残している。添軸とは毛筆と合わせて用いる製図補助具であり戦後まで一部の大工の間で使用されていた。図引は現在でいうところの烏口に相当する道具であることがわかった。 3. 本資料の使用年代は早ければ17世紀まで遡る可能性があるものの、製図道具の発達状況から勘案して19世紀前半頃、遅くても明治初期頃と推測した。

言及状況

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色を塗りながら、そういえば溝引きはいつからあるのか、棒はガラスか金属製だが江戸時代にそれらは高級。もとは竹などか。大工は墨壷があるが紙には向かぬ。図面はどうしてた?と考察の後、やはり関連論文あった
@pppppez220 斜め読みしかしてないけど、合ってそう笑 白引(添軸)というらしい。 https://t.co/jAPSZ18nM7 https://t.co/keVBL9UMFn
誰かまとめてないのかな、とネットの海を探ったら烏口以前の製図用具について竹中大工道具館で調べた物が引っかかった。50年前くらいの図面、美濃紙に毛筆で書いてあるのがあったわそういや https://t.co/1RmMNETT62
↓RT 力加減で線の太さ変わったりするので自作で添軸みたいなの作って試したけど結局 溝引きの方が綺麗だし定規動かさなくても何本も線が引けるしで溝引きに戻ったな 溝引き、添軸↓ https://t.co/IgpscgXjFL
_φ(・_・メモ 〝烏口〟に見えた道具は〝図引〟というものらしい。 #大河への道 J-STAGE Articles - 「普請下絵図畳板」について ~近世の製図道具に関する考察~ https://t.co/tywOQxDA87

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