著者
加藤 隆雄
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.5-24, 2014-05-31 (Released:2015-06-03)
参考文献数
49

「ポストモダン」論によって影響を受けた1980年代後半の日本の教育社会学を「ポストモダン教育社会学」と呼ぶことにする。それは,「モダン」としての教育・学校制度の異化に向かったが,アリエス,ブルデューと並んでインスピレーションの供給源となったのが,『監獄の誕生』におけるフーコーの「規律訓練」の視点であった。しかし,1990年代以降の教育システムの変動によって,異化の手法で捉えられた教育・学校制度の理解は不十分なものとなり,ポストモダン教育社会学の訴求力も低下していく。他方,フーコー研究においては,2000年代以降,規律訓練の概念が「生政治」論の一部であることが明らかになるのだが,1990年代以降の教育システムは,まさにこの生政治論的視点からよりよく捉えうることをフーコー理論を概略しながら論じた。

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(オマケ・⑤)「越境」「逸脱」という言葉は、何も私がその意味を発見・想像的に使っているわけではなく、思想的課題としては以前からあった。 (参考→https://t.co/C6fkI5buKt←「学者のお仕事」を理解するには有益だが、内容を理解するのは困難で、たとえ南山大学で学んでも、ほぼ不可能であろう)

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