著者
鈴木 翔
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.325-345, 2015-05-29 (Released:2016-07-19)
参考文献数
31

本稿の目的は,中高生の間でいじめの抑止力として機能する可能性をもつ生徒はどのような生徒なのか,そして,その生徒が実際にいじめの抑止力として機能していないならば,それはなぜなのかを明らかにすることである。本稿では,社会的勢力論を分析枠組みとして,中高生が持つ社会的勢力を「業績と思いやり」「外見と明朗性」に分けて検証を行ったところ,以下の2つの知見が得られた。 第一に,「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,いじめに対する否定的な規範と連動しており,「外見と明朗性」という「潜在的勢力」は,いじめに対する規範と連動していない。第二に,「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内の規範への影響力と安定的に結びついていないのに対し,「外見と明朗性」という「潜在的勢力」は,集団の支持を得て自己主張をすることを通じて集団内の規範に影響を与えやすい傾向をもつ。 つまり,現状の中高生文化のもとでは,いじめに対する否定的な規範と正の関連をもつ「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内で優勢となりにくい。そのため,いじめを拒絶する規範が,集団の中に広く受容される可能性は低くなり,その結果,いじめの抑止は機能しづらくなるという可能性が示された。

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[教育社会学][論文] “現状の中高生文化のもとでは,いじめに対する否定的な規範と正の関連をもつ「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内で優勢となりにくい”

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なぜいじめは止められないのか? ――中高生の社会的勢力の構造に着目して―― 鈴木 翔 https://t.co/RqfIuiAoqF
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“現状の中高生文化のもとでは,いじめに対する否定的な規範と正の関連をもつ「業績と思いやり」という「潜在的勢力」は,集団内で優勢となりにくい” / “なぜいじめは止められないのか?” https://t.co/oqeXwZODN1 #教育社会学 #論文

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