著者
大澤 絵里 石川 みどり 曽根 智史
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.147-155, 2014 (Released:2014-07-19)
参考文献数
42

【目的】本研究の目的は,子どもに対する高脂肪・糖分・塩分(High in Fat, Sugar or Salt (HFSS))食品・飲料のマーケティング規制政策の国際的動向を把握し,子どもたちが健康的な食習慣を身につけるための政策開発の今後の課題を提示することである。【方法】WHO, Consumer International, International Association for the Study of Obesityの報告書に記載された各国の子どもに対するHFSS食品・飲料のマーケティング規制の政策を整理し,法的規制,政府のガイドライン,自主規制の3分類の一覧を作成した。法的規制政策を展開しているイギリス,韓国,および企業の自主規制が特徴的であるアメリカについて,上記報告書の引用文献を参考に,情報を収集し,規制主体,規制主体の権限,“子ども”の定義,規制内容,HFSS食品・飲料の定義について,3か国で比較検討した。【結果】12歳未満が,3カ国の共通するマーケティング規制対象の子どもの年齢であった。キャラクター使用や無料おまけの使用禁止や使用基準の作成,子どもの視聴が多い時間帯では,放送時間および広告内容の規制,規約の実施が明らかとなった。しかし,HFSS食品・飲料の定義については,3カ国で異なるものであった。【結論】12歳未満に対しては,購買意欲を抑えることが,規制政策の鍵となることが明らかとなった。HFSS食品・飲料の定義は各国で異なり,政策の子どもの食習慣への影響評価の早期実施,および健康増進等の他政策を考慮した検討が必要となる。

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