著者
小林 茂
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.52-66, 2006 (Released:2010-06-02)
参考文献数
63
被引用文献数
1 4

第二次世界大戦終結まで,日本がアジア太平洋地域で作製した地図を「外邦図」と呼んでいる.外邦図の多くは,旧日本軍が作製し,その性格からこれまで利用が限られてきたが,近年は景観・環境の長期的変化を考える上で重要な資料と考えられるようになってきた.ただしその利用にあたっては,東アジアの近代史を意識しつつ,作製過程や仕様,精度などを解明する作業が不可欠である.そこで本稿では,ここ数年間関係者の協力を得て研究を進めてきた成果を紹介する.外邦図の多様性に始まり,外国での秘密測量,台湾や朝鮮など旧植民地での地籍測量に伴う地形図作製,外国製図の複製や空中写真測量の発展など外邦図に関連する主要なトピックついて触れ,あわせて東アジア地域への技術移転にも言及する.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (8 users, 8 posts, 1 favorites)

なんと興味深い 米国で見つかった日本の軍事機密「地図」14点 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト https://t.co/rhZZOc6ZYN 小林茂 外邦図研究の展望https://t.co/fC4QVXQk0B
小林茂「近代日本の地図作製と東アジア―外邦図研究の展望―」 https://t.co/Tz8TTknRf5 外邦図、敗戦時にだいぶ焼かれてしまったのか。軍事機密だしな。戦後の空中写真がGHQによって作成されたように、地理的成果は意外と外部によって作成されることが多いのかもね。
【E-journal GEO掲載論文】小林 茂 2006.近代日本の地図作製と東アジア―外邦図研究の展望―,E-journal GEO 1: 52-66.http://t.co/3D3KxFY1N2

収集済み URL リスト