著者
中村 努
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.21-39, 2016 (Released:2016-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本稿では,高知県高知市における街路市出店者へのアンケート調査をもとに,ローカルな流通システムの展開とその空間特性を明らかにした.特に,出店者の商品調達から販売に至る行動に着目し,全国的に衰退過程にある定期市が,高知市において存続している要因について検討した.出店者の大部分は,自家生産によって農産物,花卉,青果,茶などを収穫したうえで,販売していた.しかしながら,出店者数の減少と高齢化が進行していた.夫婦2人で運営している出店者が多く,自家生産のみによる農産物の販路を,街路市以外に求める出店者の割合が高くなっている.その反面,街路市は対面販売を基本としており,出店者は街路市に対して,顧客とのコミュニケーションに楽しみや,生きがいを感じていた.ただ,今後も出店者に出店継続の意思はあるものの,後継者が確保できていないことが,多くの出店者にとっての課題となっていた.

言及状況

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【E-journal GEO掲載論文】中村 努 2016.高知県高知市における街路市の展開と流通システムの空間特性,E-journal GEO 11(1),21-39.https://t.co/9ZmhcTHpKl
E-journal GEOより論文2本出ました。中村 努(2016):高知県高知市における街路市の展開と流通システムの空間特性,『E-journal GEO』11:21-39. https://t.co/fzVl86lsGl

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