著者
成瀬 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.280-293, 2017 (Released:2017-12-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1

大学非常勤講師の処遇に関する議論は1990年代以降なされており,2007年前後に盛り上がりをみせていたが,大きな改善がみられないまま現在に至っている.2013年には労働契約法が改正され,非正規の有期労働契約を無期契約へと転換する道が開かれたが,逆にそのことが「雇い止め」という事態を拡大させる契機となっている.本稿で筆者は,そうした議論を整理し,大学で地理学関連科目を担当する本学会員の大学非常勤講師にアンケート調査を行った.回答者15人の属性として,講師歴15年以上および年齢46歳以上が回答者の半数以上を占めた.かれらの収入は週1コマ当たり月額で30,000円以下がほとんどで,かれらは4校程度を掛け持ちしている.大学の非常勤講師で生計を立てている専業非常勤講師は,平均週8コマを担当しているという状況が確認された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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同じ学会のウェブ雑誌には下記のような論文を投稿し,掲載された。私も長らく大学で非常勤講師をしているが,その処遇のひどさを訴え,学会としてできることがあるのではないかという提案だった。 https://t.co/VZ9geex7UO
時給に換算してしまえばかなり高額ですが,もちろん授業の準備やテスト・レポートの採点など時間外労働があります。 ともかく,問題の多い労働形態で,5年ほど前に身近な人たちを相手にアンケート調査をして報告しています。 https://t.co/VZ9geeeYGG
@asaoka_akiko 大学非常勤講師の実態については,私が個人で集めた15人分の特定の研究分野のみのデータではありますが,公表していますので,政策の参考にしていただければと思います。 https://t.co/VZ9geex7UO
大学では非常勤講師の問題も大きいと思うんです。 https://t.co/VZ9geex7UO https://t.co/oMemTgb3Bx
次に大学非常勤講師について。 この件は,こちらにある程度書いたが,一応学術論文の形なので,書けることはある程度制限している。とはいで,電子ジャーナルということもあり,ある程度の提言めいたことも書きました。 https://t.co/VZ9geeeYGG
https://t.co/VZ9geeeYGG こちらの論文で,アンケート調査に協力していただいた際に送ってもらったのではないかと思います。 非常勤先の学生を使ったサンプル数としては少ないアンケートですが,それを最大限に活用する努力のみえる論文です。
4年前にこんな論文を書いてみたけど,大学の非常勤講師の待遇も大して変わっていない。 私は幸運にも一応無期契約にはなりましたが。 https://t.co/VZ9geeeYGG
【E-journal GEO掲載論文】成瀬 厚 2017.地理学関連科目を担当する大学非常勤講師の雇用実態と意識,E-journal GEO 12(2),280-293.https://t.co/i41xuo4NzV
成瀬厚(2017)「地理学関連科目を担当する大学非常勤講師の雇用実態と意識」 https://t.co/J6hSiDjCYG

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