著者
原 裕太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.70-86, 2021 (Released:2021-03-03)
参考文献数
50
被引用文献数
4 3

中国では,環境汚染,内陸水産養殖業の急速な発展にともなう水田環境の喪失,農村部の貧困問題を改善するため,新たな農業のかたちが模索されている.中でも近代的な稲作と水産養殖の統合は,地域経済を発展させつつ水田環境と生態系を保全するための有効な方法の一つとして注目を集めている.一方,多くの地域では,依然として水田養殖の普及率は低い.その要因として,野生種の生息域内外ではその動物の養殖業の競争力に地域差があること,養殖動物の消費需要の地域的偏りと生育に必要な気候環境が制約条件になっていること,都市部の消費者の間で,水田養殖に関する生態学的なメリットやブランドの認知が広がっておらず,付加価値の創出に課題を抱えていること等が挙げられる.加えて,今後の課題として,養殖に導入された種による陸水域生態系への影響と,食の嗜好変化によって伝統的な方法を維持する中国西南地域へ近代的な水田養殖が無秩序に拡大すること等も懸念される.

言及状況

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とある農業系雑誌の方から、とても面白かったです、とお言葉を頂いた。この機会に宣伝。生き物ブランド米、環境保全型農業、中国ではどうなの?に答えるレビュー論文。 原2021「中国における水田養殖業および水田養殖研究の展開と課題」E-journal GEO, Vol.16(1), pp.70-86. https://t.co/0TZXU9HihX

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