- 著者
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河本 大地
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- E-journal GEO (ISSN:18808107)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.50-60, 2014-03-31 (Released:2014-04-23)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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ジオパークに関わる動きが活発化している.その中で日本においては,多くのジオパーク,およびそれを目指す地域で,地方自治体が主導する形がとられている.そこで本稿では,行政主導型のジオパークマネジメントの先例として,ピレネー山脈のスペイン側にあるソブラルベジオパークをとりあげ,意義と課題を整理した.その結果,地質・地形等に関わる施策を展開しやすくなったこと,学校教育との連携などが行政主導型マネジメントの意義として,見いだされた.他方,ジオパークに関する民間の主体的活動はほとんど見られず,またジオパークとしての取り組みが地質・地形関係に特化するなど行政の縦割りの弊害も存在する.しかし,域内企業とのパートナーシップ協定やマウンテンバイク用ルートの整備等,地質・地形への関心喚起や地域資源活用の手法は,日本のジオパークにとって参考になると考えられる.