- 著者
-
梶原 宏之
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- E-journal GEO (ISSN:18808107)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.61-72, 2014-03-31 (Released:2014-04-23)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
-
3
長引く経済不況や地方低迷のなか,地域全体をミュージアム化し活性化をはかるジオパークへの関心が高まっている.地理学からすれば福音であるが,類似の制度も増えており,ともすればそれらの狭間に消えかねない.本稿では,世界農業遺産(ジアス)・エコミュージアム・ユネスコ無形文化遺産といった類似の制度と照らし合わせながら,ジオパークの持つ可能性や問題点を描き出し,地理学に求められる役割について検討した.ジオパークにおいては,研究者とのよりよい協同作業を通じて,地域の自然と文化の関係性を解説するシステムを構築し,地域の課題を解決するデザインが求められる.