著者
梅村 晋一郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.168-176, 2015-01-01 (Released:2015-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本稿では,強力集束超音波治療,特に加熱凝固治療を中心としてその理工学的基礎について述べる.超音波の持つエネルギーは分子レベルでは希薄であるが,それを熱として蓄積することにより,生体組織に不可逆変化をもたらすことができる.強力集束超音波(HIFU)による治療はその応用に相当する.超音波エネルギーが熱に変換される効率すなわち吸収係数は超音波周波数におよそ比例するので,超音波が治療目的組織まで生体中を伝搬する距離に応じて,周波数を選択する必要がある.また,超音波照射時間を,熱伝導による拡散が目立たない時間内に設定すれば,集束超音波の空間的選択性を生かすことができる.一方,治療目的外組織の過熱を防ぐには,血液灌流による冷却のための休止時間を置く必要があり,これがHIFU治療のスループットを低めている.これらをできる限り原理から説明するとともに,HIFUを照準し治療を監視するイメージング手段や,治療スループットを向上させる研究についても言及する.

言及状況

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@yukotanda_i @ROBOmito @shinochi19 元々は切除不能ながんやパーキンソン病などの治療に用いる医療機器ですね。侵襲性の小さい形で加熱とキャビテーションで組織を壊死させているようです。皮膚のたるみとしわ改善とかイミフすぎますね。ボトックスやっとけって感じです。 https://t.co/xwhbrftu06 https://t.co/Cf0NJsTPxI
HIFU超音波レーザーは要は集束超音波。 集束超音波治療 https://t.co/x1EcyWTM6B

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