著者
川俣 順一
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.317-320, 1979-04-30 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4

昨年2, 3の大学の研究室で動物実験関係者に韓国型出血熱 (KHF) 類似の急性熱性疾患がまとまって発生したことが報道されたことは御承知の通りであります。本病は日本では人間には常在しない流行病でありますが韓国では毎年数百名の発生があります。感染経路等についても未だ充分明かではない部分もありますが, 昨年度来, 文部省の科学研究費の補助により, 「動物実験における人獣共通感染症特に流行性出血熱の現状調査とそれらの防止対策の研究」という研究班が編成され, わが国のこの方面に関係の深い研究者によって鋭意現状把握と感染経路の解明, 血清診断法の開発等に努力が払われています。その際, この方面の研究では最も進んでいる韓国の高麗大学李教授の絶大な御協力を得ております。そこでこの研究班ではとりあえず現時点で得られている情報をもとにKHFの実験動物界からの排除と本病の予防対策をまとめましたので, 会員の皆様にお知らせいたします。こんご研究の進展に伴い内容の改訂が当然考えられますが, 御意見がありましたら是非川俣までお聞かせ下さいますよう御願い申し上げます。

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