- 著者
-
嶋根 卓也
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.6, pp.541-543, 2018 (Released:2018-06-01)
- 参考文献数
- 10
薬剤師による薬物乱用防止といえば,教育現場における薬物乱用防止教育を連想する人が多いだろう.本稿では人が薬物を使う心理社会的背景を明らかにした上で,薬物乱用防止教育を「ダメ.ゼッタイ.」で終わらせてしまうことの危険性や,薬剤師による予防教育について論じた.一方,医療現場においては,睡眠薬等の処方薬(主としてベンゾジアゼピン受容体作動薬)を不適正に使用し,薬物依存に至る症例が増加している.薬剤師は臨床業務を通じて,処方薬乱用に気づきやすい立場にある.そこで後半では,処方薬乱用に対するゲートキーパーとしての薬剤師の役割についても論じた.