著者
南畝 晋平 東 純一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.134, no.4, pp.212-215, 2009 (Released:2009-10-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

チトクロムP-450(CYP)遺伝子多型が,薬物血中濃度の個人差を引き起こす原因の一つとなることは,もはや周知の事実である.CYP遺伝子多型情報は,これまで,臨床上問題となる薬物反応性,副作用発現の個人差の原因を明らかにするための手段として用いられてきた.近年,医薬品の開発成功率の低下から,遺伝子多型情報を医薬品開発に利用し開発の効率化を図ろうとする動きが議論されており,CYP遺伝子多型は最も有力なターゲットになると考えられる.実際,被験者のゲノムDNAをバンキングし,予想外の有効性や安全性の結果が出たときに遺伝子多型解析が可能な体制をとる製薬企業が増えてきている.さらに,2008年3月には「医薬品の臨床試験におけるファーマコゲノミクス実施に際し考慮すべき事項(暫定版)」が日本製薬工業協会から発表された.今後,医薬品開発における遺伝子多型情報の利用が一般的になっていくと思われる.

言及状況

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当時の授業の内容がだいたいまとまっていた。 https://t.co/jyaozdRx5V
@tociss 難しいですね。プロファイルが異なる薬への変更が基本戦略だと思いますが、盲点としてCYP2D6の多型によるultra-rapid metabolizerで、推奨用量でもAPZの血中濃度が低い可能性を考えました。ただ、日本人ではUMは低頻度ですね(添付)。血中濃度が測れないと確認も困難ですね

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