著者
鈴木 雅貴
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス (ISSN:24334464)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-25, 2019-10-31 (Released:2019-10-31)
参考文献数
86

本論文では,株式バブルの識別に関するファイナンス研究の最新動向を展望する.株式バブルは実体経済に多大な影響を及ぼしうるものの,そのメカニズムについていまだ解明されていない部分が多い.その一因は,株式の基礎的価値(ファンダメンタルズ)の推定が難しい点にある.そこで,本論文ではまずファイナンス研究の領域で長年用いられてきた株式ファンダメンタルズの推定手法を概観し,その応用上の問題点を整理する.一方,株式関連デリバティブ価格や近年登場した株式配当先物の価格には,将来の株式配当に関する情報が多く含まれていることが最新の研究によって明らかにされている.そこで,本論文では株式配当先物価格を用いた株式ファンダメンタルズの推定手法を提案する.株式配当先物価格には,長期配当に関する投資家の(リスク調整済み)期待が瞬時に反映されるため,これを有効活用することによって,従来手法よりも即時性が高くかつ客観的な株式ファンダメンタルズの推定値を得ることが可能となる.また論文後半では,当該手法から算出される株式バブル変数を用いて,株式バブルの発生メカニズムに関する定量的な分析を行う.

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株式のバブルに関するこれまでの研究を概観している。株式のファンダメンタルズの構成要素(配当成長率、安全利子率、リスクプレミアム)は可変的なので、ファンダメンタルズの推計は難しい。よって今がバブルかどうかの識別も難しい。 株式バブルの発生メカニズムとその識別 https://t.co/0Avh4e5zHS

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