- 著者
-
今永 光彦
外山 哲也
- 出版者
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
- 雑誌
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.4, pp.169-175, 2018-12-20 (Released:2018-12-27)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
-
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目的:在宅医療における死因としての老衰の診断に関して調査を行う.方法:全国在宅療養支援診療所連絡会全会員908名を対象として郵送質問紙調査を行った.結果:有効回答数535名(回収率58.9%).死亡診断書に老衰と記載したことがあったのは501名(93.6%).“老衰と診断するにあたり重視している”と回答した割合は「継続的な診療を行っている」79.2%,「ADLや経口摂取量の低下が緩徐である」93.0%,「他に致死的な病気の診断がついていない」88.2%であった.“老衰と診断する際に影響する”との回答が多い項目は,「患者の家族の理解や考え」,「医学的に他疾患を除外できているか」,「老衰と診断することによる患者のQOLへの寄与」であった.結論:在宅医は,医学的側面以外の影響をうけながら,継続的な診療,緩徐な状態低下,他に致死的な病気の診断がないことを重視して老衰の診断を行っていた.