著者
早田 輝洋
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.33-60, 2015 (Released:2016-05-17)
参考文献数
18

従来の満洲語の文典も辞書も満洲語の形式-ngge, -ingge, ninggeの区別を明確にしていない。これらの形式については名詞と形容詞の別も十分に記述されていない。 本稿では満洲語資料の時代をa)ヌルハチ,ホンタイジの時代(16世紀末~1643),b)順治年間(1644–1661),c)康煕年間(1662–1722)に分けた。a)は殆どすべて無圏点文字による手書き資料,b)c)は主に有圏点文字による木版本資料である。a)にだけ動詞語幹に-nggeの直接続く例が14例もあった。a)時代の資料をもとに仮定した派生規則の例外は,当然b)c)と時代が進むにつれ多くなる。派生形態素ni-nggeの単純形態素ninggeへの変化は顕著な通時変化の例である。 a)b)の満洲語話者は満洲地区で生育し,c)の話者は北京という完全な漢語環境で生育している。康煕帝の時代の満洲語はそれ以前の満洲語と文法的にも顕著に違うことが分った*。

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【言語研究・掲載論文】「満洲語の多様な形態素 -ngge の文法的位置付け」早田輝洋(2015 年 148 号 p. 33-60) https://t.co/LZaDolu3ZB
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