著者
大場 武 平林 順一 野上 健治
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2006年度日本地球化学会第53回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.247, 2006 (Released:2007-11-01)

草津白根山の火口湖湯釜の化学組成経年変化からマグマの脱ガスモデルを提案する.1966年から1981年までは,マグマを取り囲むように形成された熱水二次鉱物からなるシーリングゾーンが成長し,マグマから放出されるSやClの流量は漸減しつつあった.1982,83年の噴火の際は,シーリングゾーンが破壊し,一部は熱水に再溶解し,火口湖に供給され,湖水の硫酸イオン濃度が上昇した.1990年には破壊されたシーリングゾーンを貫いて地下水が冷却しつつあるマグマに浸入し,マグマに残存していたClを熱水に抽出した.このためにClに富んだ熱水が発生し,火口湖に供給され,塩化物イオン濃度の上昇を引き起こした.

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