著者
田沢 純一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.9, pp.503-517, 2004 (Released:2005-01-07)
参考文献数
162
被引用文献数
52 46

日本列島の先新第三系は, (1) 南部北上テレーン (前期オルドビス紀~後期デボン紀付加テレーン), (2) 秋吉テレーン (中期~後期ペルム紀付加テレーン), (3) 美濃テレーン (前期ジュラ紀~前期白亜紀付加テレーン), (4) 四万十テレーン (後期白亜紀~新第三紀付加テレーン) の4テレーン, およびジュラ紀末期~白亜紀初期に秦嶺—大別縫合帯からナップとして加わった (5) 飛騨—阿武隈ナップ (変成相中・古生界ナップ) に区分される. これらのテレーンおよびナップは, NE-SW方向に伸び, 南東へ向かって若くなる極性をもって配列している. 日本列島の骨格は, 前期オルドビス紀以降北中国東縁の沈み込み帯における連続的付加によってつくられた. そして, 後期ペルム紀~後期ジュラ紀の右横ずれ運動, ジュラ紀末期~白亜紀初期の東フェルゲンツの衝上運動, 前期白亜紀~古第三紀 (主に前期白亜紀) の右横ずれ運動により, 大規模な横ずれ移動と地体群の再配列がなされた. 前期白亜紀~古第三紀の左横ずれ変位は1500-2000 kmと考えられる. 新第三紀 (Miocene) に, “原日本” のリフティングによる日本海形成と西南日本の時計回りおよび東北日本の反時計回りの運動, 千島弧の衝突による北海道中央部の西フェルゲンツの衝上, 伊豆—小笠原弧の衝突による本州弧中央部の変形などが起き, 現在の日本列島が完成した.

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@___Think___ @GSI_chiriin ちなみに、 ブラタモリの中央構造線 回で、日本列島の形成理論には、横ずれ説と縦ずれ説があると紹介していたけど、結構ダイナミックです。おおよそ千万~億年単位の出来事。 図は横ずれ説:https://t.co/OoTJxmWn5h https://t.co/fHEqLmNsWl
@MonPetina 2000年前ではなく、ベルム期~後期白亜紀だから3億~6600千万年前くらいの話だな 横ずれ説:日本列島の起源と形成についての考察/田沢純一 https://t.co/OoTJxmWn5h https://t.co/XsYY4gyYxr
@fushunia 大陸から千切れた大部分は「大和灘」として日本海に沈んでいるようです。で、東西の島が合体ですが先図を見る限りでは東西に差はありませんが、同時期に同じ岩石が東西で出来て、これがフォッサマグナで合体した可能性はあるのかな?ってググったらダイナミックな論文がhttps://t.co/OoTJxndq7h https://t.co/Qe9m4SVIAo

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