著者
入月 俊明 栗原 行人
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.355-369, 2023-07-08 (Released:2023-07-08)
参考文献数
56

瀬戸内区中新統の,従来,第一瀬戸内累層群と呼ばれた下部中新統上部〜中部中新統下部は様々な化石を豊富に含んでいることから,古くより地質学・古生物学的研究が盛んに行われてきた.これらの中新統からは,特に,前期中新世の明世動物群や中期中新世最温暖期(Mid-Miocene Climatic Optimum)の門ノ沢動物群を特徴づける貝化石が豊富に産出することで知られている.近年,微化石に基づく生層序学的研究が進み,瀬戸内区中新統の海成層は,相対的海水準が上昇した4つの期間に形成されたことが明らかにされた.このように,瀬戸内区中新統は,前期から中期中新世における汎世界的な気候変動や日本列島の構造運動に関連した古環境や動植物群の時間空間的変化を知る上で,最も適したフィールドである.本巡検では,近畿地方に分布する瀬戸内区中新統の代表的な地層である滋賀県甲賀市の鮎河層群と京都府綴喜郡宇治田原町の綴喜層群の分布域に赴き,これらの浅海成層と明世動物群を構成する貝化石群集の観察を通じて,両層群の対比や当時の古環境について理解する.

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