著者
藤井 紘司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1-20, 2010-01-01 (Released:2012-01-31)
参考文献数
64

琉球弧の最も南に位置する八重山諸島では,水稲耕作のできない「低い島」からマラリアの蔓延する「高い島」へ耕作地を求めて通耕してきた歴史がある.従来,八重山諸島における遠距離通耕は旧慣租税制度である人頭税〔1637~1902〕によるものとされてきた.本稿は,1903(明治36)年の地租改正による人頭税撤廃以降,つまり近代期における海を越える遠距離通耕の変遷,その消長をあきらかにすることを目的とした.研究方法としては,土地台帳とそれに付随する地籍図,および明治30年代の行政文書「喜宝院蒐集館文書」の分析,また聞書きによるフィールド調査を行った.これらの調査によって,遠距離通耕の興隆期は近代期にあったことをあきらかにした.これらの現象は,A)新税法の施行,B)市場経済の浸透,C)「高い島」に位置する村落の衰退,D)技術的な発達などを背景として,「低い島」の過剰人口を吸収する生業適応として興隆期を迎えた.

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【地理学評論掲載論文】藤井紘司 2010.近代八重山諸島における遠距離通耕の歴史的展開─1890~1970年代における西表島東北部を事例として─,地理学評論83,1-20.http://t.co/NP3Of5WjC7

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