著者
成瀬 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.413-435, 2013-09-01 (Released:2017-12-08)
参考文献数
123
被引用文献数
1

景観研究は多様化している.日本では工学分野を中心に景観は多分野で議論されている.英語圏地理学では,景観の視覚的側面を重視する歴史研究から現代芸術を対象とした動向がある.本稿では,遠近法主義の概念を歴史研究から整理するとともに,現代芸術を対象とした近年の景観研究を整理した.ドイツの画家リヒターに関する美学研究を参照することで,地理学への風景芸術研究の導入線とした.写真を模写するフォト・ペインティングという技法を用い,ぼかしや上塗りを施すことによって,彼の風景画は抽象画とも類似したものとなっている.そうした風景画を制作することによって,リヒターは因襲的な風景芸術をアイロニックに再現し,遠近法に基づく因襲的な見る方法に挑戦しているといえる.

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@Naga_Kyoto こちらでも,ドイツに行ったことがないことを片手落ちのように言われました。 https://t.co/BXCMh2V6EI
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こちら,よろしくお願いします。 https://t.co/BXCMh2CXqA https://t.co/UXwcwu5msa
地理学評論 Series A/86 巻 (2013) 5 号 成瀬 厚 キーワード:ゲルハルト・リヒター J-STAGE Articles - 遠近法主義に抗う現代風景芸術 https://t.co/Fe4edklki8
わお!改めて読んでください。 https://t.co/BXCMh2CXqA https://t.co/GzHN7mCGE8
私がこの論文で取り上げた,英国の地理学者が論じた日本人アーティスト「Tomoko Takahashi」の情報をTwitterで検索してみたが,これしか出てこなかった。 https://t.co/BXCMh2CXqA https://t.co/1F9KX25lpS
ドイツ映画『ある画家の数奇な運命』を観た。 https://t.co/1x7ndKyAHX この映画はゲルハルト・リヒターという世界的に有名な画家をモデルにしたフィクションだが,リヒターを論じた自分の論文を読みたくなった。 https://t.co/BXCMh2CXqA
いいなと思ったらすでに論文の題材になってた笑 J-STAGE Articles - 遠近法主義に抗う現代風景芸術 https://t.co/xCWE60ER2Q
成瀬 厚「遠近法主義に抗う現代風景芸術 —芸術を対象とする景観研究—」https://t.co/ukvYF1Tlou 描写法と文化の関係について話していて教えてもらったやつ。読んでみる。 https://t.co/kr0aGZlJLb
【地理学評論掲載論文】成瀬 厚 2013.遠近法主義に抗う現代風景芸術-芸術を対象とする景観研究-.地理学評論86A: 413-435.https://t.co/IfLg2yfPOf

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