著者
高野 史男
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.629-642, 1959-12-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
37
被引用文献数
4 4

最近の各地における急激な都市化現象の進行とともに都市化の研究が学界の関心事となつたが,都市化の概念はまだ確立していない.都市化には都市化のエネルギーがどこからどんな形で作用するかによつて,(1)大都市型都市化,(2)地域中心型都市化,(3)工業化型都市化,(4)在来工業型都市化,の4つの類型がある.現実にはこれらの混合型も多い.これらの諸類型は経済の種々な発展段階に対応して歴史的に形成されたもので,(2)と(4)は産業革命による近代的生産様式の発展以前またはそれと無関係に行われるものであり(前近代的都市化),(1)と(3)は近代的生産様式に基礎をおく近代社会に特有のものである(近代的都市化),とくに(3)は独占資本主義段階においてあらわれる.これら諸類型に共通な点はruralな地域がurbanな地域に変質する過程の存在であり,そこに都市化の本質がある.ここで地域というものを土地と人間との結合によつて成立するものと考えれば,地域のruralからurbanへの変質は土地利用と労働形態との2面に示されることになる.また都市化は近代以後の概念であることからすれば,都市化とは近代産業の発展によつてrura1な地域がurbanな地域へ変質する過程に外ならない.したがつて厳密には近代的都市化のみが真の都市化である.そして都市化は工業化よりも広く近代化よりも狭い概念であるといえる. 地理学における都市化研究は都市化過程の対象(土地利用と労働),主体(資本),原因およびそれらの地域的時間的対比などによつて構成さるべきであろう.

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