著者
小元久 仁夫 大内 定
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.158-175, 1978-02-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
43
被引用文献数
6 2

完新世の海水準変化を解明するため,筆者らは日本列島の臨海沖積平野の中でも比較的地盤運動の緩慢な地域と考えられる仙台平野を取りあげ,主に現地調査によって採取した試料の14C年代測定,花粉分析,珪藻分析の結果と,空中写真の判読およびボーリングデータの解析に基づいて研究を進めてきた.その結果,仙台平野においては,海水準は7,500年前の-8mから最大振幅2m以下,周期1,000~1,590年でリズミカルな振動を繰り返しつつ,今日の海水準に到達したと推定される.完新世における仙台平野の地盤運動量が筆者らの見積りのように小さければ,仙台平野では縄文時代を通じ現海面を上回る高海水準は存在しなかった.

言及状況

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