著者
須貝 俊彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.793-813, 1990-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
49
被引用文献数
3 11

赤石山地・三河高原南部の小起伏面の性格と分布を示し,従来の“山頂小起伏面=隆起準平原遺物”説の再検討を試みた. まず空中写真判読により小起伏面を認定した.次に面の形態や構成物質の特徴などをもとに小起伏面を5タイプに分類した.さらに調査地域全域の小起伏面の分布を示し,面の起源を検討した.その結果,赤石山地・三河高原南部の小起伏面は,大半が侵食面であり,(1)山頂や高い尾根上に位置する面は,化石周氷河成平滑斜面の一部に含まれること,(2)厚い風化殻に覆われた丘陵状を呈する面は,山地の縁辺部ほど良く分布し,標高1,500~2,000mで消失することが明らかにされた.(1)は高位削剥面,(2)は隆起準平原遺物,とみなしうることが指摘され,従来の“隆起準平原遺物”説を再考する必要性が示された.

言及状況

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@GeoFuruko その最たる例が侵食小起伏面ですねー。 画像出典(須貝, 1990, 地理評A) https://t.co/r43k1ZbUtT https://t.co/SdTgkoG1X8
お昼休みに偶々見つけて読んでた。TLに「準平原」が流れる度に記憶の片隅に思い浮かぶも、出典等がよくわかってなかったヤツだった。須貝先生って昔はこんなんやってたんだ。→須貝 俊彦(1990) 赤石山地・三河高原南部の侵食小起伏面の性質と起源, 地理評,63A(12),793-813. https://t.co/r43k1ZbUtT

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